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2026/10/03 18:45

UVライトの365nm・395nm・405nmは何が違う?

SmoothXが365nmを採用している理由

UV硬化樹脂を使っていると、UVライトの商品説明で

「365nm」
「395nm」
「405nm」

という数字を目にすることがあります。

「数字が違うけれど、何が違うの?」
「UVライトなら、どれを使っても同じでは?」

と思う方も多いのではないでしょうか。

実はこの「波長」は、UV硬化樹脂を正しく硬化させるうえで非常に重要な要素です。

今回は、365nm・395nm・405nmの違いと、SmoothXが365nmのUV照射を前提として設計されている理由について解説します。


そもそも「nm(ナノメートル)」とは?

365nm、395nm、405nmという数字は、光の「波長」を表しています。

nmは「ナノメートル」と読み、光の性質を表す単位です。

UV硬化で使用されるUV LEDでは、365nm、385nm、395nm、405nmなどが代表的です。

数字が小さいほど波長は短くなり、1つの光子が持つエネルギーは大きくなります。

ただし、

「365nmだから必ずよく硬化する」
「405nmより365nmの方が優れている」

という単純な話ではありません。

UV硬化樹脂には、「光重合開始剤」と呼ばれる成分が含まれています。

この光重合開始剤が特定の波長の光を吸収することで反応が始まり、樹脂が硬化します。

つまり重要なのは、

樹脂とUVライトの波長が合っていること。

です。


365nm・395nm・405nmの違い

365nm

365nmはUV-A領域に属する、比較的短い波長の紫外線です。

工業用のUV硬化樹脂、接着剤、コーティングなどでも古くから使用されてきた代表的な波長のひとつです。

395nmや405nmと比較すると、1光子あたりのエネルギーは高くなります。

一方で、365nmのLEDは395nmや405nmと比べると高価になりやすく、高出力化にもコストがかかる傾向があります。


395nm

395nmは現在非常に広く使われているUV LEDの波長です。

比較的高出力化しやすく、UVインク、コーティング、UVレジン、ネイル用ライトなど、さまざまな用途で使用されています。

市販されているUVライトにも多く採用されている波長です。


405nm

405nmは紫外線と可視光の境界に近い波長で、紫色の光として人の目にも見えやすい特徴があります。

特に光造形3Dプリンターでは405nmが広く使用されています。

そのため、

「光造形用レジン=405nm」

というイメージを持っている方も多いと思います。

ただし、405nmで硬化する3Dプリンター用レジンと、SmoothXのような造形後の仕上げに使用するUV硬化樹脂では、目的も配合も異なります。


なぜ市販のUVライトには395nmや405nmが多いのか?

理由のひとつは、LEDそのものの特性です。

一般的に395nmや405nmのLEDは高出力化しやすく、製品化しやすい傾向があります。

また、

・UVレジンクラフト
・ネイル用UVライト
・光造形3Dプリンター
・UVインク

など幅広い分野で大量に使用されているため、比較的安価なUVライトにも多く採用されています。

そのため通販サイトなどで「UVライト」と検索すると、395nmや405nmの製品を多く見かけます。

ここで注意したいのが、

「W数が大きい=どんなUV樹脂でもよく硬化する」わけではない

という点です。

たとえば100Wの405nmライトであっても、365nmに合わせて設計された樹脂を必ずしも最適に硬化できるとは限りません。

UV硬化では、

波長 × 光量 × 照射距離 × 照射時間 × 樹脂の配合

の組み合わせが重要になります。


SmoothXが365nmを採用している理由

SmoothXシリーズは、365nmのUV照射によって硬化させることを前提として設計しています。

その理由は、単に「365nmの方が強いから」というものではありません。

SmoothXでは、

必要なときにはしっかり硬化し、それまではできるだけ不用意に硬化反応を起こさないこと

も重要な設計思想のひとつとしています。


SmoothXは「造形後の仕上げ」のためのUV硬化樹脂

SmoothXは、一般的なアクセサリー用UVレジンとは少し目的が違います。

3Dプリント品などの表面に塗布し、

・積層痕を埋める
・表面を形成する
・必要に応じてパテ処理する
・研磨する
・塗装や最終仕上げにつなげる

という、

「造形後の仕上げ工程」

のために開発されています。

そのため、樹脂を塗った瞬間に硬化が進んでしまうよりも、

塗布して、形を整えて、納得したタイミングでUVを照射して硬化させる

という作業性がとても重要です。


なぜ「不用意に硬化しにくいこと」が重要なのか?

UV硬化樹脂にとって、最大のメリットのひとつは、

UVを照射するまで作業時間をコントロールしやすいこと

です。

たとえば2液硬化型の樹脂の場合、主剤と硬化剤を混ぜた瞬間から硬化反応が始まります。

湿気硬化型の材料も、空気中の水分によって少しずつ反応が進みます。

一方、UV硬化樹脂は基本的に、必要な波長の光が十分に当たることで硬化が進みます。

そのためSmoothXでは、

「塗る → 整える → 必要なタイミングで硬化」

という自由度をできるだけ活かしたいと考えています。


365nmを選んだもうひとつの理由

太陽光には365nmも395nmも405nm付近の光も含まれています。

したがって、

「365nmは自然界に存在しない」

というわけではありません。

ただし365nmは395nmや405nmより短波長側に位置し、特に一般的な室内環境やUVカットされた窓ガラスを通した環境では、強い365nmの光を受ける機会は限定されます。

一方、405nmは可視光に近い領域にあり、日常環境の光の中にも比較的含まれやすい波長です。

SmoothXではこの点も考慮し、

通常の室内作業中にはできるだけ反応を抑え、365nmのUVを照射したときにしっかり硬化させる

という方向で設計しています。

もちろん、UV硬化樹脂である以上、太陽光や強い光を完全に遮断しなければ、意図しない反応を100%防げるわけではありません。

直射日光の当たる場所での施工や保管は避けてください。


「365nm対応」と書いてあれば、どんなライトでもいい?

ここも非常に重要です。

答えは、

365nm対応であれば、どんなUVライトでも同じ結果になるわけではありません。

同じ365nmと記載されたUVライトでも、

・実際のUV出力
・照射範囲
・光の均一性
・LEDの品質
・対象物までの距離
・照射時間

などによって硬化状態は変わります。

また、製品に表示されている「W数」は、必ずしも樹脂表面に届くUVの強さそのものを表しているわけではありません。

SmoothX専用UV照射デバイスは、SmoothXを安定して硬化させることを目的として選定しています。

SmoothX本来の性能を安定して引き出すため、SmoothX専用UV照射デバイスの使用を推奨しています。


UVライトは「明るさ」や「W数」だけで選ばない

UVライトを選ぶとき、

「何Wあるか」
「どれだけ明るいか」
「値段が高いか」

だけを見てしまいがちです。

しかしUV硬化で本当に重要なのは、

その光を、樹脂がきちんと利用できるかどうか。

です。

365nm、395nm、405nmには、それぞれ適した用途があります。

どの波長が万能ということではありません。

SmoothXでは、

硬化性能と施工中の作業性、その両方を考えたうえで365nmを採用しています。

必要なときまでは扱いやすく。

必要なタイミングでUVを照射すれば、しっかり硬化させる。

これがSmoothXのUV硬化に対する考え方です。